いっぺん廻ってみ?

たりないものばかり

冥界の中心で偽義経冥界歌がすっごい良かったと叫ぶ

生きているのか、いないのか。死んでいるのか、いないのか。
我々は、新感線のことを信じているのか、いないのか。

 

修羅天魔終わってからここ閉店させてましたが偽義経初日があまりに良すぎて即シャッター開けさせていただきました。

いやぁ、これまで朧が新感線最高傑作と言っていましたが、それに及ばずとも引けを取らないものを観てしまったという気持ちでいっぱいです…。
朧が闇のかずきの傑作なら、偽義経は光のかずきの傑作なのでは…?
見ろとか見ないとかじゃねえ!!ここがすげかった!!!!!!!というためだけのエントリです。ここまで見ちゃってまだ偽義経見てない人は騙されたと思ってフェスティバルホールに行って。もし本当に騙されちゃっても大丈夫、それ以上に主人公騙されまくってるから大丈夫。いいから黙って全人類偽義経見て。

 

 

 戯曲がすごい。

さて冒頭の話に戻るのですが、新感線のことが大好きだけれど決して信じきってはいない猜疑心のたまねぎだった我々、フェスティバルホールに向かう道行でさんざん予防線貼りまくってました!初日開幕前特有の戦々恐々とした緊張感嫌いじゃない。
個人的には斗真りょうさとっさんには絶対無敵の安心感を持っていたしゆっくんさん(早乙女弟)もいるしかずきの新作は普通に楽しみだったので割と遠足気分だったのですが。そもそも胃が痛くならない舞台の時点で最高ですね。推しの舞台はいつも胃が痛くなります。夏秋公演すでに胃が痛い。
話がそれました、そ!し!た!ら!!
中島かずきが襲来した。
ステアラの遠心力が戯曲に吸い込まれてた。一幕から盛り沢山な超スピード展開、登場人物全員癖強すぎ、振り回される主人公陣営、根無し草と渡り人の出会い、ひっくり返される大義、何が敵で誰が味方なのか、正道も邪道もわからない、そもそも仲間など一人もいないのかもしれない。
でもここまでなら今までもよくあるかずきじゃないですか。あーはいはいこれかずきあるあるじゃん?
違うんだなぁこれが!!!!!!!!!!
ここからなんですよ!!!!!このお馬鹿主人公、なんと挫折した自分を受け止められる!クソデカ感情を人にぶつけない!!馬鹿みたいに突進するわけでもなく「それが俺なんだ!!!!」と開き直るのでもなく、いきなり説教垂れるでもなく、馬鹿なりの答えを見つけちゃう!!自分を見つめ直す素直な心がある!!そうなる伏線が張られている!!そこからまた新たな展開を持ってこさせるから、二幕は怒涛とか洪水とかそれどころじゃない。襲来です。かずきが襲来しております。我々その場をしかと見た。
なんでこんなに興奮しているか。きっと新感線ジェットコースターが帰ってきてくれてうれぴーーーんだ。ステアラはすごい体験を提供してくれた代わりに、大切なものを喪っていたから。
しかし力技稼業にほんの少しの知性を振りかけてこんなチート戯曲を作ってしまってかずきの余生は大丈夫なのだろうか。このネタ出し始めたの風髑髏の時なんですって。流れてくる月稽古状況に阿鼻叫喚してた時期にこんなことしてたんですね…そっか、そっかぁ…。

ホール入る時に我々の真後ろを緊張した面持ちで歩いていたかずきへ振り返って強く強く握手したい。めっちゃ怖かったん正面から合流してくるかずき。

 

 

 生田斗真をはじめとしたキャスト陣が全員すごい

かずきの戯曲ってあてがき故の怖さもあって、結局その人物とキャラ像が少しでもズレていたらちょっと残念なことになるじゃないですか。
今回の偽義経が諸手を挙げて褒め称えられるのは、かずきがキャスト全員の魅力と解釈をがっちり掴みながら置いた駒の配置の妙だと思うんですけど、翻ってあの偽義経を偽義経たらしめた生田斗真の全部がすごすぎた。
彼の凄さは今更私が語る必要も権利もないので省きますが、顔も姿も言葉も立ち回りも歌も雰囲気も全部武器にできる陽属性な役者さんの、こんな素敵な舞台が生まれる瞬間を目にしてしまったから観劇はやめられない。
そういえばVBBを観たのは花髑髏キャストの役名が判明する前日だったなぁとふと思い出したりして。
ステアラ期の前後が斗真の新感線に挟まれてるのエモエモだなぁ。新感線は元に戻ったんだなぁとひたすら感慨深かった。
だけじゃなくて!これまでのご褒美と言わんばかりに劇団員大活躍なのがすごい!そもそも劇団員揃ってるだけでも(けむりはカナコ聖子さんも合流して大家族)いつもの安心感ぱないのに、大黒柱さとっさんの野獣性を愛嬌を持ち合わせた無敵の渋さに屋台骨じゅん圭哉の安定感、まさかのイロモノ枠粟根まことにいつもより少し強くて頭の良いゲスサンボ、さくらちゃんの独特な雰囲気とスモーキーボイス、んでもってゆっくんさんが斗真とシンメですよ!!!!ねえねえ、シンメよ!!!!
そしてあとで書きますがりょうさんがほんっっっと良かった〜〜ああいう女性像が見たかった〜。

 

 

 いのうえ演出がすごい

のは世界の常識ですが、そこじゃ⤴な⤵い⤴。
暗転してる時に下手から上手まで役者走らせなくても良いよ!!!!!客席の代わりにスクリーン映像回さなくても良いよ!!!!!
たぶん一番走らされていたのは中山優馬くんなんじゃないかな。
なんといっても隈取!!!!
今回歌舞伎っぽさを強調しているって書いてあったので「いつもじゃねーか」と笑ったんですが、隈取ギミック投下された時にうわぁぁぁぁぁぁぁぁと立ち上がりそうになった。それまでどの陣営が倒されるべき存在なのかがあやふやだった境界線が、あの陣営が青色の線を引いて現れた瞬間に倒されるべき悪として線引きされた。あの様式美をこうやって使うのかと膝を打ったし、頑なに偽義経冥界歌に送り仮名をつけることを拒んだひでのり神の心意気を感じた。本格的な見得も多かったよね…ゆっくんさんまであんなにおいしいことばかりさせていただいて…39…。
あとね、ラストがね、泣いたよね。今回はそうやって終わるんだね。ラストで最後まで取っていた生田斗真の一手を使うんだね。
新感線はやっぱりこういう、この役者でしかこの作品が成立しないという、たったひとつの宝物になるのが好きなんだな…うん…。

 


 女が強い

黄泉津良すぎんかぁ〜〜!!!!!!!?!?!!?
くくり良すぎんかぁ〜〜!!!!!!?!!?!?
蝦夷の巫女たち良すぎんかぁ〜〜!!!!!!?
蝦夷系の踊りや黄泉津の第一形態があおらんの巫女たちを引き継いでいるのに感動したの。あおらんの巫女達の踊りやデザイン大好きだったので。
なんかすぐマレフィセントになっちゃったんですけどね。
えーーーーーーーーりょう良すぎん?りょう超良すぎんか??花太夫が栄子の次に好みだったんで贔屓目もあるんか?かずきが描く女ってこう結構都合のいい男社会の女ばかりでその傾向はあおらんでさえ払拭できなかったのに、このりょう解釈すごくない?これまでの男共蹴散らしたぞ?ていうかメタマクであれだけ愛妻家やらせておいてアテガキされるとあんな男になっちゃったさとっさんしんどくない???私は戦いあうツガイがめっぽう性癖なので今回の夫婦は大好物ですが、結局かずきの男女はうまくいかないしやっぱりかずきは自立した女にさえ厳しい。
ていうかくくよもまったなしなのでくくよもください。
ただでさえあんな描写にオタクは弱いのに、新谷さんのキャラもあるかもしれないけれど、これ来年カナコさんやるんですよ!?あおらんでミズチだったカナコさんがやるんすよ!!
百合があるかずき作品は傑作なのかもしれないという気を感じた。政子とおかめもよかったじゃん。あそこも百合やで。絶対百合エンドやで。
くくよもください。

 

あともいろいろあるんですけど!衣装がやっと落ち着いたものに戻ってくれたとかあんなに光ってるのに上品に見える冥界衣装とかゆっくんさん二幕の髪型の殺傷力やばいなとか監督最後まで死ななかったすげえとか!!いろいろあるんですけれど全部ひっくるめて

新感線のこと、信じてて良かったーーーーーー!!!!!!!!!!これからも信じます!!!!!!!!!

 

 

なのでけむりの軍団のことはいったん忘れたい。

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