いっぺん廻ってみ?

たりないものばかり

ゲキシネ鳥髑髏と推しのFCイベが重なった話

 

 

 

とりあえずゲキシネの話をさせてくれ。

 

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なんて初見に易しくない予告でしょう!! 

さて、鳥の話になると気が狂ったように劈くオタクが現れたのは4/5昼のバルト9。やっと暖かくなりかけた、コートを着るか着ないか迷うくそめんどくさい時期に、真夏の日差しと蒸し暑さと戦いながらステアラに通いつめた2017年夏のことを思いだしながらのバルト9。もうすぐ二年経つんですって…。


 いや鳥ゲキシネめちゃめちゃくちゃくちゃ良かったですね!!ね!!良かった!!でしょ!!?

 ゲキシネという確固たる作風が確立された今、「スロモがあるだとか場転カットがあるだとかグダグダ言わせねえ!!俺たちはその上の高みを目指す!!」という力強い意志を感じた。ゲキシネスタッフ側の戦いぶりを編集から感じた、さながらプロフェッショナル並のドキュメントゲキシネでしたよ。「このカットはどうしても必要なのか。時間との勝負だった。指定された枠で納めるためにゼロコンマ数秒毎に微調整してゆく。気の遠くなるような作業だった。(by橋本さとし)」みたいな ※これは妄想です。

 監督は番場秀一氏。アサおぼ。めちゃくちゃ有名なMV手掛けてるお方であられた*1
ていうか今回のステアラゲキシネ、シーズン毎に担当されている監督さんが異なるということをつい最近知りました。それぞれの特色を生かせる方が割り振られているのかな。

 鳥に関しては、MV監督ならではと思われる大胆かつクリティカルなカット割がとてもインパクト強くて。スロモもできる限り減らしてたと思うんですよ。花のスロモも意味あるものが多いなと思ってたけれど、鳥も入れる法則がありますね。
 あと登場人物の視線の先を繋げる細やかなカットが増えてこちらの視点をも誘導してるのがすごい良かった。蘭の素笑いがなくなった代わりにその後の心の揺れを太夫と捨の目線カットを入れてたり、無界襲撃でガールズに手を置く蘭のシーンが全景になった代わりに人間五十年を言った後太夫を見る顔を抜いたり、一瞬抜かれる算盤とか。

 WOWOWがソワレ主体だったのに対してゲキシネは半分以上がマチネだったと思う。
 ステアラ髑髏城共通項の一つとして、ゲキシネWOWOWも映像素材はライビュ(鳥の場合は2017.7.31)時のマチソワ映像を使っているのですが、ここまでマチソワ混同させるものなのかとビックリしてます*2
 贋鉄斎ルームなんてマチネのボケのあと一瞬でソワレに切り替えてない?口説き前後もマチソワ乱れ撃ちな気がする。なんならソワレ映像にマチネ音声入れてる気すらしている。わざと口の動きと音声をずらすことまでしてるんだからその可能性大いにある。

 とかなんとか、各々の収録画の更に良いところを厳選させて見やすくしてくれたので、ショーアップした為になかなか登場人物の心情を慮るのが難しかった鳥髑髏が、番場監督の徹底的な補完解釈により明確に伝わるようになってた。
 特に天魔のルサンチマンと兵庫の哀愁と太夫の怒りが強く出てて、いやまじで本当…蘭兵衛が地雷無自覚男ですまんな…という気持ちになってしまった…。でも天魔は最後蘭に一矢報いたじゃん…無界襲撃でヒャッハーしてた月蘭と違って無界襲撃で苦しんでた鳥蘭にその報いは酷いじゃん…え、やっぱ鳥蘭かわいそうな人なのでは…?
 やーーー鳥……わたし鳥の関係性大好きです…。天蘭と他の七人のコントラストがしっかり分けられているから、天蘭は天蘭で確立された上で、他の七人の泥臭い「髑髏城の七人」の話になってるし、「華やかさ」という化けの皮が剥がれるふとした時に、捨天蘭の嫉妬と憎悪の関係性が浮き彫りになるのがたまらなく虚しくて好き…。あと女子が精神的に強いのホントたまらん好き。太夫はすぐ男に殴りかかるし沙霧は頭脳派だけど血を見るのは嫌いなのとかわかりやすくなってて。鳥は一人一人がきちんと一人で生きていられるから好き。力もなく信じることしかできない民草達が、信じることで憎しみに覆われていた捨を救う話。だからこそ、その生きる意味を失った物語後の方が心配。沙霧、捨を頼んだよ。すっかり忘れてたけど、鳥のテーマって「怒り」なんだよね*3

 はあ…鳥ちゃんに感情の行間がある……しゅてき…

 

 閑話休題
 これはただの蛇足で推測なのですけど、ゲキシネ編集が映画風に寄せていてステアラ演出をオミットさせていた理由は、ステアラ一発目ということを加味しても機構の使い方はやはりぎこちなかったし、初めてだったが故にライビュの撮れ高が少なかったからなんじゃないかな。だって兄者の走馬灯はあんなに綺麗に入ってたもの。だから機構もスクリーンも使いこなしてた風髑髏がゲキシネでどう編集されてるのかめちゃくちゃ楽しみなんだよね。風の黄泉笛ステアラ以上にばんばん映像加工してほしい。
 あ、あとこれも蛇足。今んとこ計4回、新宿→品川→品川→新宿で見たんですけど、箱のクオリティはそりゃ新宿が強いんですが品川の客席が毎回あったかいの。花もそうだった。ゲラが多い。早く応援上映がしたい。


 というわけで、不思議なことにゲキシネになってより情報量が増えちゃった鳥ですが、好きだったカットがなくなるところも散見されました。なくてちょっと残念だったなーー!というとこ!!‬
 ‪花にはあったゲキシネならではのオープニングクレジットがなかったーーーー!!あれ「ゲキシネ見てるーー!」という気持ちになれて嬉しいのに…。でも確かに入れられるタイミングがないし、そうなるとあのオープニングクレジットは修羅天魔までおあずけなのでは…?‬
 それから歌や音響が全部微調整されてるせいか音声と口の動きが合わない時が時々あったのはちょっと気になった。効果を狙ったものもあったけど(ex.少吉の雄叫び)
 黄泉笛で亡霊になった太夫とか、「仕方ないよね!そう見せたかったんだよね!時間がないから間奏ないもんね!」とニコニコせざるを得ない。
 ‪あ!!天魔については結構言いたいことがある(笑)!というより場転をオミットさせたゲキシネの最たる被害者が、シーン終わりの台詞が多い天魔王様なんですよね。でも台詞を奪われて悲しそうな顔する天魔王さま入ったから仕方ないかな〜〜えーーでも側転も夢見酒くんかからの脱力も扇バサァも入ってないの物足りない(笑)!天魔だってイグザクトリィばかり言うだけじゃなくて小姓時代の名残を匂わせる仕草結構してたんですよ。イグザクトリィばかり言ってたけど。これは予想なのですが、月は捨に夢見酒飲ませた後の天魔の「さぁ始めよ、天魔の宴を」は絶対カットされると思う。

 編集にだいたい意味がわかる、と言いましたが、まあやっぱり腑に落ちないところもあります。
 特に一番最後、沙霧の「もう、決めたんだ」で振り向かせて終わったのは確かにカッコよかった!カッコよかったんだけど!でもあの後の「待てよ捨之介ーー!待てってば!」と追いかけている姿を知っている身からすると、寂しいという気持ちを覆い隠すことはできない…!でも!ああいう想像を残した終わり方もかっこいい…贅沢な文句だな…!
 でも贋鉄斎ルームの捨の玄翁で終わるオチだけはそのまま取っていてほしかった…(笑)「大丈夫かーー!」って声は入れてるんだから影ぐらい入れても…(笑)
 黄平次を切り捨てた蘭への太夫の呼びかけが「蘭兵衛」と呼び捨てになってた理由はまだ考察中です。やっぱりその次の「蘭兵衛か、お前にそう呼ばれると〜」への繋ぎだからかな…。
 天蘭の渾身のコケはねぇ、たぶんねぇ、2人セットで撮れなかったんじゃないかな!!!!!?!?
 たぶんあそこでボケるなんてカメラ知らなかったんだよ。殺陣映すだけで精一杯だよ。ライビュも蘭だけ映ってたし不可抗力。天蘭が悪い*4

 あと鳥蘭の最期をスロモにしたのは絶対兄者のせいだと思ってるので兄者はその場でグルグルバット100回回ってください!あそこは!WOWOWを見ます!‬

 とまあそういう話も尽きないのですが、結局WOWOWWOWOWの良さ、ゲキシネゲキシネの良さがてんこもりに差別化できててどちらも美味しい内容になってて、ライビュ映像をこんなに贅沢に料理してくださってありがとうという気持ちには変わりません。エンドロールのカテコ映像で、太一さんと葉月ちゃんが談笑しながら出てきたの抜いてくれたのにもブチ上がったし。熟成に熟成を重ねた大楽付近の鳥ちゃんは、きちんと記憶とレポに残ってるし。
 日替わりアドリブは、ゲキシネがマチネでWOWOWがソワレです。風月も変わってたりしたら面白いねえ〜。

 

 

 

というわけで鳥ゲキシネの感想でした!!!!
ハーーーすっきりした。七月に東劇で見れるのが楽しみすぎる。

 

 

 


 ここから先はおまけ。ゲキシネ初日の夜になぜか鳥蘭に再会しちゃった話です。
何故一つのエントリーに長々と書くかというと、私の中では二つ合わせて不思議体験のセットだから。

 

 時は4月5日、鳥ゲキシネと推しのFCイベが被った我々はゲキシネからFCイベのはしごを断行しました。あ、推しって早乙女太一なんですけど。しかも場所はクラブex。そう、隣のTjoyで今日からゲキシネやってる。しかも1週間限定上映(当時)。何故そこにぶつけた。
 告知時から「もうファンイベは鳥ゲキシネ鑑賞会で良いんじゃない?」とかふざけて言ってたら、なんか太一さんが鳥蘭(第三形態)コスで淡雪の恋踊り始めたんですよね。

 簡単に説明すると今年のFCイベは前半が女形メイクからの舞踊、後半はトークと客席Q&Aでした。ちなみに去年はトークQ&Aなしで前半のメイク舞踊部分をガッチリ見せる摩訶不思議なものでした。太一さんらしくて好きでした。今年のイベも始まるまで何するかを誰一人知りませんでした。
 太一さんがやることは毎回ビックリ箱なのでうまく説明できません。観に来たらわかるので観に来てください。朱雀も観に来てください。*5

 

あ、鳥蘭第三形態ってあれです。捨之介滅多打ちにするとこ。

???

はあ???

 

いや、はあ????????


ってなるじゃん????
 おかしいなぁ、さっきまで大画面の中のいた人が似たようなお衣装着て曼珠沙華テーマの曲で舞っている??というかいつものお衣装は?あの紅白のかつらは?というかどこからその衣装調達してきた?
 界隈ですぐさま始まる衣装鑑定。朱雀のことだから似たようなものを自主調達できたんじゃないかと思ってたら、

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 偽鳥蘭の数珠本物だったとのことでたまげました。推しが強い。
 正直なところ、中の人が演じた役をその作品ではない違う場所で、誤解を恐れずに言うと、私用で使うことがあまり得意ではない人間(オフショもシリアスな舞台ほど心の臓がキュッとしちゃう)でして、今回まさか太一さんに限ってそういうことするとは思ってなかったので嬉しさよりショックな気持ちの方が強かったんですけど、新感線のどえらい方達が関わってくれてた上に、バレ勧めてくれたのがそのどえらい方達様だったとのことで秒で五体投地しました。太一さんも粋な計らいをしてくれてありがとう…。俺たちのマネさん教えてくださってありがとう…。本家本元様が背中押してくださったなら大の字になって喜んじゃうねでも推しのことをあまり甘やかさないでくださいけむり楽しみにしてます!!

 しかもこれFC2日目の夜もやったので必然的に2日連続でゲキシネ鳥蘭→中の人がやる偽鳥蘭→中の人がやる偽鳥蘭→ゲキシネ鳥蘭をはしごしてしまったわけで、へーーーーゲキシネって3Dホログラムになるんですねーーーーという気付きを得ることができました。なんて体験だよまったく。
 あとQ&Aすごく楽しかった……。Q&Aが初出話多かったから話が新鮮なうちにゲキシネにも挑めたので、結果的にすごいタイミングで双方楽しめました…。以下は4/6夜の部Q&Aの髑髏城ネタレポ。質問者さんみんなお話が上手くてすごいなぁ〜。神様は客先にもたくさんいらっしゃいました。

 

 

髑髏関連Q&A(4/6夜の部)

 Q. 殺陣をしていて楽しいと感じる人、やりがいのあると思う人は誰ですか?たとえば未來くんとか、友貴くんとか、そのような人はいますか?
 A. (即答で)おっしゃるとおりそのまんまその通りです、友貴と未來さん。(客席がおおお…となる)


 Q. 月髑髏の天魔王のキャラがだんだん変わっていったことについて。
 A. めちゃくちゃ長くなるなぁ〜(笑)
 まず「人の男」がいて、「人の男」が天魔王を作って、鎧を剥がされてまた「人の男」に戻るのが月髑髏。天魔王になろうとしてなりきれなかった男だから、例えば公演中盤で「天魔王が完成されてきちゃったな」と感じたらわざと崩した。軸は変えずに、壊しては作り直しを繰り返していた。これまでの髑髏城の中でも最弱にしたかった(この辺は会報でもかなり踏み込んだ話あり)。
 稽古時、下弦の鈴木さんの天魔王を見て、「そうくるならこっちは違うものにしよう」とも思った。始まってからは(下弦は)観に行ってない。行った人(上弦キャストで)いたかな?わからない。
 でもまず未來さんの天魔王を取り除く「作業」から始めなきゃいけないのが大変だった。何をしていても背中にいつも未來さんの天魔王が棲みついているから、意識してなくても引っ張られてる気がしていた。千葉(哲也)さんと飲んだ時に相談したら「それでいい。同じものをやっても太一は太一なりの色が出て違うものになるから」って言ってもらえたけれど、いのうえさんに「いのうえさーん、僕未來さんにひpp「引っ張られてるねー!」って笑われた。(いのうえさんが忙しいため)いのうえさんの指示はほとんどなかった。


 Q. 月髑髏で大変だったことやハプニングは?
 A. ハプニングはいっぱい。
 最後の一騎打ちは過去最高に段取りが多いシーンだった。剥がすのは自分でやっている。鎧の留め金のカラビナを自分で外さなきゃいけなかったから、もう途中から外しのプロになっていた。早く外しすぎて福士くんがびっくりした時もある。
 他化自在天を叫んで戦ってまた離れて台詞言って殺陣して、の繰り返しになる。たまに福士くんが「夜摩天!」て叫んだあとにまた「夜摩天!」間違えて言っちゃってた時は、「夜摩天今終わったんだけどな?アレ、またやるの?もう外しちゃったよ、ないよ、巻き戻せないよぉ」って思いながらやってた。
 最後の自害するとき、1番細くなった剣を掴むはずなのに、ガシッと掴んだらめちゃめちゃ太くて(伝説の前楽の話)、「えっこれ刺さらなくない?太くない?違和感が出ちゃうじゃん」ってなったので、いつもより大きく振りかぶってからズゥゥゥゥン!!って刺したこともあった。


 Q. これまでで1番楽しかった役と、1番印象に残ってる役は?
 A. えーーー(悩)
 去年でいいですか?去年、俺何したっけ?
 楽しかったのは鳥髑髏ですね。最初から最後までずっっっと楽しかった。そういうのはなかなかない。 ※鳥髑髏は去年ではなく一昨年。

 

 

 こんな感じかなあ。6日マチネは参加してないのですが蘭の台詞間違えて言っちゃったりしたという話が出たようです。

 はーーーーーよし!!!!これで思い残すことなく偽義経長野大楽に気持ち迎えるぞ!!!!観劇の刃を松本に向けます!!!!待ってろ奥華!!

 

 

*1:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%AA%E5%A0%B4%E7%A7%80%E4%B8%80

*2:ちなみに蒼の乱のマチソワ違いは蒼真のかんざしの長さの違いでわかるらしい

*3:敵は関東髑髏党・鉄騎兵二万。滾る怒りよ――大いなる宙を舞え!https://www.tbs.co.jp/stagearound/toridokuro/img/ad_flyer2.jpg

*4:ちなみにあのコケの発案者は成志さんだったみたいです(出典:太一さんFCイベ4/6昼)。

*5:今年の11月からやるよ!詳細は後日!