いっぺん廻ってみ?

たりないものばかり

髑髏城の七人season風 9/15初日感想(ネタバレ有)

よかったよーーー風髑髏!!
そりゃね、あれとかあれとかあれとかそりゃいっぱい言いたいことあるんですけどね!!きりがない!!とりあえずよかったことをば!!

いやもう、これまでの髑髏城全部巻き込んで暴風吹かせて暴れたあと静かに去っていかれたよ…。1つでも好きな髑髏城あったら被弾するやつ。基本ほぼアカドクロなんですけど、部分部分で他ドクロのエッセンス入れてくるので、油断してたら殺されたワカの亡霊が私だ。
髑髏城に関してはあまりにもいろいろ拗らせたので、良し悪しなんて関係ない、比較も馬鹿馬鹿しい、楽しければOK!テイストなんで基本アゲアゲ芸人になってしまうんですが、落ち着いて冷静に考えてみたら、オリジナリティはなかったんですよね。デジャビュで全部つなぎ合わせてたみたいな。あそこもここもそこもどこかで見たことある感じの。ピンときたのは松ケン捨と狸穴さんかな。狸穴さん、勿論期待してたけど本当に良かった。
七人の仲間感が少なかったかなあ。勿論初日だったわけですし、きっとこれからどんどん化けてくださるんでしょうしこちらが全部話を噛み砕くこともできず。偉そうに言ってしまいましたが、とにかく一人二役髑髏城見れただけで百点満点やで、大好きだ髑髏城。
あ、あと劇伴と美術がとても良かった。花鳥風月シリーズでは1番好きかも。劇伴はハンスジマーと田中公平混ぜて岡崎司をちらつかせたみたいな。映像もパンフも南蛮っぽさが強く出てたし結構異国的。美術はとにかく無界屋がツボすぎた。悲母観音さまなのかな、仏絵を黒縁取りした格子に無界ガールズ達の薄桃の衣装が映えて可愛かった。とても天平文化だった。方白ちゃんの舞が見たくなった。
美術と同じくまたモノトーン調に返った衣装、松ケン捨のデザインよかったなー。鳥蘭もだったけど襦袢が黒いの大好きです…差し色がない渋さが潔くて良い…。

 

それぞれの感想を。
捨之介
松ケンらしい、朴訥で飄々としていた捨だけれど、ヒリヒリとした影武者時代を過ごしててよくあの性格でいられたなあ。強い子だ。逆にあの性格にならざるを得なかったりしたということかな。
風のアバンはアカアオのそれと同じなんですけど、あそこで沙霧を袋に入れないあたりに玉転がしの捨之介がなくなった捨の新しい面を見れたような。
一人二役のせい、というか元に戻ったということなんでしょうけど、沙霧との絆が強くなったのが印象的。贋の「影武者として生き残ったものと~」の台詞や捨之介の風貌で蘭を騙すシーンとか、「ああ私いま昔の髑髏城を新しく見れてる…!」って嬉しかった…。
松ケンはなんというか、とにかく力強い声に説得力があるからどんな台詞でも相手にまっすぐ投げかけることができるんですよね。打ったボール全部ストライク。天魔王としての松ケンのシーンはそれほど多くないんですけど、そのワンシーンだけでですら凄みを見せられるのが凄いなぁと。松ケンはもっと舞台で見たいなと思いました。あ、足技見映えしてすごくよかった。側転以外にもいろいろ足技かけてて、無骨な色気のある足で、私はおぐしゅんの足より好きだったです(何を見ているんだ)…。
瓢箪は敵の頭でわりませんでした。良い子。

 

天魔王
一人二役ver.でからっぽの仮面オチまじべりーさんきゅーいのうえひでのり&かずきなかしま。
あの終わり方に希望が見いだせてよかったし、あの終わり方に対するお二人の意地と自信と気概を感じました…。
風の天魔王様はすごく豪気な殿方なので、前回と前々回の天魔様に謁見していただきたい。陽気に笑うし包容力高いし。だから二幕冒頭、深緋のベルベットマントにフリル襟に殿ヘアーの天魔王様と、差し色もないまさに死装束姿の蘭を眺めながら、ああ色合いが似てるなってなんとなく思ってたんですよ…。まさか口説きからいきなりワカドクロの台詞オンパレードになるなんて思わなかったんですよ…。松ケン痩せたからシュッとしてて雄を感じさせるギラついた目つきで凄かったですね…。
中の人は南さんだったんですけど、南さん殺陣めちゃ豪快で早かったからとにかく強かった。
花天魔以上に最後生き延びてそうな天魔王様でした…最後のアレもさ…花クラスタ元気?生きてる?ってなるやつでしたね。
敦盛なかったんですよぉ~やばい月の敦盛が危険だ…人間五十年は天魔王さまの台詞でした。


蘭兵衛
無界屋蘭兵衛?誰それ?レベルで蘭丸。得物仕込み過ぎだし冷徹だし自分の城まじで築いてるし、なんか蘭丸ってより三成感あった。知将、または軍師、捨天別人世界だったらもしかして天魔王になってたかもしれない。
風蘭はエゴの塊に見えた。 兄者も風蘭も全然蘭丸捨てれてないけど、殿への思いがずっと燻って苦しんでた兄者に対して、風蘭はおうOKいつでも蘭丸に戻れるぜ!ってノリノリな勢い。とりらん…うっ
あと私は別に蘭が殺陣できる人でなきゃいけないとは思ってないのですが、あの役って良くも悪くも飛び道具だから、短い出番で魅せなきゃ説得力出なくて、ワカ花鳥はそれが殺陣だったわけで。それ以外で説得性と存在感出すのって難しいよねえ…。ただ脚本に操られてるだけのキャラになってしまう。
黄泉笛衣装全部真っ白でガチ死装束+小顔オバケコンボは流石に震えましたね。すげえマネキンさんがいたもんだ…。蘭丸姿の髪型も、むかいりらんべえにしかできないものだった…。
それぞれの蘭兵衛を比較すると、
花:殿を捨てて得た生を悔やんでいる。硬。武士。
鳥:城に赴かなければあのまま無界屋蘭兵衛として終えられた。柔。商人。
風:自意識的に蘭丸を捨ててなく、忘八稼業に落ちたことに自虐すらしている。冷。軍師。
という印象を受けました。黄泉笛の歌詞ください。

 

太夫
ちゃきちゃき度がアカ太夫っぽくて超好きなタイプでしたーー!一幕のお衣装全部好みでした。蘭との身長差萌えに天元突破しました。ちっちゃいのに頑張ってて田中麗奈の沙霧はいけなかったのかと一瞬考えてしまいました!オタ芸しちゃうぞ!!
ただ、蘭があの調子だから、今回蘭と太夫の関係が鳥とは違う意味でつらいんですよねえ。女が死んで泣く捨に対して蘭は女ですら問答無用で斬る。ニヒルで冷徹系なので、太夫のことも商売道具としてしか見てなさそうで怖いんです。磯平が女たちの近くにやって来たとき、風蘭も「うっくせっ」みたいな素振りしてましたけど、そのあと太夫の腕掴んで奥に引っ込ませてるのも情というより大切な道具感あった…。太夫からの抱擁も甘んじて受けてましたが、なんだか奥にある本性が漏れていて逆に不気味でしたねあそこの描写…。これからどう変化していくか興味深いところではあります(なお手持ちチケットはない)。

 

沙霧
男の子っぽいんだけどめっちゃ女の子だった。捨之介すきすきガールズで可愛かったしそれが素朴な松ケンだから妙に男女の色気も出ない感じなのもよかったです。 こういう機微凄いよなぁ。

 

贋鉄斎
レミゼーーーーーーーーー!!!!!!!!!
ずるくない!?出オチ!!!!もうダメ!!!!
蕎麦食べたいーーー!!蕎麦ーーーー!!!!蕎麦って江戸時代からじゃないの!?と思ったら奈良時代からあったみたい!!笑
ただのじゅんさん。じゅんさんタイム。じゅんさんじゃなきゃ許されないアレ。
でもですね、あのですね、正直キツかったん…(笑) じゅんさんへの期待値と風の笑い皺が一気にじゅんさんに来てしまったのと、あまりに尺が長すぎて、ここは申し訳ないんですが、なるしさんのセンスとリズム感の良さを痛感しました…あとあそこは受け手が達者じゃなきゃダメなんだねえ…花と風は贋の一人相撲になってしまったね…サダヲすごかった…。
二幕の黒馬鬼で泣きました。なんなん!!なんなん!!お馬さん乗りやがって!!もしかしてするかなって思ってたけど!!くろまきーーーー!!松ケン黒馬鬼と再会できてないじゃん!ダメじゃん!

 

兵庫
インディアンか!!インディアンなんだな!?
オタ芸すごかった。信仰心大事。たかやさんって基本覚めてるからそういうクール系兵庫になってて、これからどう太夫と変わっていくのかな、というのが気になるところです。なんか全部自分で物事解決できそうだよ…。そう、風の7人は全員自分たちでなんとかできそうなポテンシャルの高さを感じました。沙霧は捨がいないといけないかもしれない。

三五と磯平
いつものサンボさんと磯野さん。本当にいてくれてありがとう。ムーンウォークがんばってね。

 

狸穴さん
多分影の主役。というか主役。この方がいてくださったおかげで風はきちんと地に足つけて吹いていられてた。この方から風が吹き始めるのが大正解すぎた…

あーーー楽間際にもういっかい見たい!!